羽根ペン

2011年07月31日
万年筆の回に『他にも欲しくなった理由はある』と記述しました。
それは、とある実験をしたかったからです。内容は後述します。

もともと古い道具や原始的な道具が好きな自分にとって『ペン』、
言い換えると『インクを使用し長期間継続的に紙に書き記すことが出来る道具』は
興味深いものです。今どきそんなことは当たり前な訳ですが、ペンの歴史を辿ると
なかなか面白いです。
とりあえず『木炭』や『鉛筆』は省きますね。

初期では棒の先に顔料を付着させ、擦り付けて線を描く方法です。
色々な形の棒で書く事で太さを変えたり、漆などの素手だとかぶれてしまう顔料を
使うことが出来ます。

ある程度時代を下り、ペンで文章を書く時代になると、インクを付けて書く『つけペン』が
主流になります。有名なのは『羽根ペン』ですね。
ちなみに英語『pen』の語源は「羽根」を意味するラテン語『penna』に由来します。
最も歴史の古いペンの一種という訳です。

そして、1883年に、アメリカの保険外交員が、調書にインクの染みを作ってしまい、
契約を取り逃がしたことをきっかけとして、毛細管現象を応用したペン芯を発明しました。
これが万年筆の基礎になりました。

そうなるとかなり近代まで、
『インクを使用し長期間継続的に紙に書き記すことが出来る道具』は無かった事になります。
筆にせよ、つけペンにせよ、まめに顔料に付けなくてはいけません。

さて、少し疑問が出てきました。
『羽根ペンは一回インクに付けてどれ位書けるのか』

それを検証するため、羽根ペンを作ります。

幸い、前に拾った鳶の羽根があるのでそれを使用します。
製作自体はわりと簡単で、カッターナイフ1本で作れます。
昔は羽根ペンを整形するため小型ナイフを使用していました。それを『ペンナイフ』といいます。
自分はペンのように持てる、細身で小さいナイフだからペンナイフだと思っていたので
ペンの由来から、ペンナイフの名前まで歴史が繋がっていることに驚きました。
いやー、知らない事だらけで面白いですねぇ。

羽根ペン羽根ペン
◇羽根ペン (自作)

さて、検証。結果は個体差があるので参考程度です。
試験方法は1回インクをつけて直線を書き、その長さを測ります。

時代初期の棒(今回は加工前の羽根) : 約15cm
羽根ペン : 約44cm
万年筆 : 測定不能 ※当たり前ですね…いつまで書かなければならないんだろう…

おおっ!羽根ペンは棒より2倍以上の結果です。
羽根ペンの書き心地は結構癖がありますね。ペン先の作り方の良し悪しで変わりそうなので
今後の課題です。また、いろいろ試していきます。

何にせよ、万年筆の基礎を作ったアメリカの保険外交員に感謝ですね。


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Posted by 妖怪スクナカボチャ at 22:56│Comments(0)工作・モノづくり
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