刀子? (副葬品の石刀再現品)
関の刃物祭に行ってきました。ここ数年は毎年行っております。…とはいっても、ちょっとマイナーな方に行くんですが(笑)。
今年も刀匠の方とお話が出来、刃物関連の興味深い話を沢山聞けました。展示されている道具を見ていたら、気になる刃物がありました。
刀子? (副葬品の石刀再現品)
刀子というのは、ものを切る、削るなど加工の用途に用いられる工具の一種です。古代においては刀子は文人・文官を象徴するものになります。当時は紙が貴重品で木簡・竹簡が広く使用されており、書き間違えた文字を削って修正するために必須だったようです。正倉院宝物に刀子が現存してますが、これは武器ではなく文房具に分類されています。
写真の刀子は奈良時代よりも前で、大体古墳時代末期、飛鳥時代の副葬品の石刀再現品のようです。詳細は聞きそびれてしまったので調べてみると、次の資料が出てきました。便利な時代ですね(笑)。
これは別の考古学者の資料で、出土したもの(上)と復元案(下)です。…この刀子と似ています。
シースやハンドルの材料も再現された刀子ではありますが、やっぱり刀匠の技術がふんだんに詰まっています。刀身は玉鋼、皮製のシースに古布を張り合わせ銀装飾が施されています。
刀匠曰く『この刃物、1000年持つよ。』とのこと。…実際その技術で作られた『刀』が現存しているわけですから、歴史資料が実証済みってことでした。因みにこの刀子、地肌と刃文の働きで『金筋』というものもでています。小さいながらも技術は伝統的な『刀』なんですね。ただただ驚くばかりです。
…で、この刀子どうしたかって?…もちろん買いました(笑)。うちの護り刀として使わせていただきます。